vol.171 思いやりの優先順位
春から一人暮らしを始めた息子が「今日はテニスですか」と尋ねてきました。「今日は
雨やけお休みやね」と返すと「よかったら仕事終わってシチュー食べに来んかね、美味
しいのが出来たよ」とお招きを受けました。家ではキッチンに立つことがなかった息子
ですが、自炊を続けているようです。家内とコンビニで差し入れを買って部屋に向かい、
一人一杯づつのシチューをすすりながら、三時間ほど仕事のことを三人で語り合いまし
た。一緒に暮らしていると何気ない出来事ですが、私にとってその時間は喜びに満たさ
れた「ひととき」でした。しかし二十年ほどにわたる子育てを振り返ってみると、雇わ
れ店長時代からブレス創業当初は、休日返上で毎日遅くまで仕事に明け暮れ、授業参観
や運動会には一度も足を運んだことがない父親でした。今になってそのことを後悔して
いるわけではありませんが、これからは家族との何気ない「ひととき」を大切にしよう。
一杯のシチューが私にそう思わせたのです。
いちばん親しい家族を大切にできないようでは、おそらくお客さまのことも大事に思う
ことはできないでしょう。それはうわべだけの接客態度で、まごころのこもった対応と
はほど遠いはずです。心にもないお世辞やウソを並べたとしても、そばにいる人からは
すぐに見ぬかれてしまいます。「外面はいいけど、内面が悪い」身近な人からそう批判
されるようではいけません。 『素心学要論』(モラロジー研究所)より
ブレスでは思いやりを大切にしています。全ての人に不快さを与えないことが大切です
が、その優先順位をあえてつけるとするなら、「1.家族 2.職場の人たち 3.お客様」
であるとしています。これは決してお客様を蔑ろにしようということではありません。
まずは一番わがままが出やすい、家族に対する取り組みを大切にする。そこがクリアで
きれば、お客様に対しても自ずと実践できるはずだと思うからです。四月より日曜日の
定休日を第三日曜日のみから、第一第三日曜日へと変更いたしました。お客様にはご不
便をおかけすることになりますが、ブレスはしなやかに変化することで、周囲の皆さま
に対して、より一層「優れた人格」を提供できるように努力してまいります。
vol.172 そのひとこと
毎朝4時に起きて10キロ走ることをライフワークとするお客様に、理由を尋ねてみる
と「サッカーの審判をしてるので、トレーニングをしています」とのことでした。審判
の資格を更新する際に体力測定があり、常に鍛えておく必要があるそうです。しかし試
合における誤審などの際は、YouTubeやSNSへ動画の投稿や書き込みがあり、当初は
少なからず心の負担になっていたそうです。そして報酬なしでそこまで努力するのは「
サッカー界に貢献出来ることが嬉しいから」ということでした。ネットにおける誹謗中
傷は、現代社会が抱える大きな問題となっています。ブレスにおいてもお客様からの口
コミがすべて高評価というわけにはいきませんので、これまでに苦い経験がありました。
しかしそんな時に心の支えとなるのは、毎日たくさんのお客様がお気に入りのスタイリ
ストを指名して、ブレスに足を運んでくださることに違いありません。その現実に励ま
され、勇気をいただくことが私たちの原動力なのです。
そのひとことで 励まされ そのひとことで 夢を持ち そのひとことで 立ち上がる
そのひと言で 風がたち そのひと言で がっかりし そのひと言で 泣かされる
ほんのわずかな ひと言が 不思議な大きな力もつ ほんのちょっとのひと言で
察しあい 喜ばせあい 折れあいて 合わす性分 あわす合掌 (作者不明)
拙著月刊Elepants breathは、未熟な私がどのように至らない「自己を知り、自己を正
す」のかを皆様に知っていただくために、常にセット面に最新号を用意しています。お
目どうし頂いたお客様からは、「もっと、読みたい」というお言葉をいただくことがあり
ます。その際はバックナンバーをまとめた冊子を進呈していますが、「そのひとこと」で
私は心の奥からじんわりと溢れ出る喜びに包まれるのです。なぜなら、この文章こそが
私が歩む人生そのものであり、松本喜久という人間の魂だからです。これからもよろし
くお願いします。
vol.173 美容業の成就
美容師として幸せに生きていくために、知識と技術を身につけよう。そして、素敵なヘ
アスタイルを提供しよう-−。20代の私は、そのような一心で仕事終わりに毎晩レッスン
を積み重ね、月曜日は毎週講習会に足を運んでいました。いいヘアスタイルを作ることが
美容師の仕事という思いで、エネルギーのすべてを注ぎ込んでいました。そして30歳を過
ぎた頃、修行先の会社で人間学を学ぶ機会を与えられ、それでは不十分である事を学びま
した。「専門的知識・技術」(付属的要素)は「人間の徳性」(本質的要素)によって正し
く生かされる。「人間の徳性」とは「思いやり」であり、人との関係を良好に保つためには
欠かすことができないということでした。確かに「どれだけ上手いか知らんけど、勝手に切
られた」という話は意外と多いものです。我が身を振り返ってみても、私は自分勝手な思い
込みや自己中心的な判断により、これまで数多くの失敗を繰り返してきました。
人間は樹木と同じです。根がしっかりせずにグラグラしているようでは、風が吹くと、すぐ
に倒れてしまいます。わたしたちが「この木はりっぱだ」というときには青々と茂った枝葉
や太い幹につい目がいってしまいますが、ほんとうは目に見えない土の下にある根が大き
くてりっぱなのです。 「月刊素心 第281号 仕事の成就」より
立派な枝葉である「専門性」を正しく生かすには、根っこである「人間の徳性」(思いやり)
を磨くことが必要だったのです。決して「専門性」はボチボチで構わないという話ではあり
ません。「専門性」は「人間の徳性」をしっかりと身につけると、伴ってくるでしょう。お役
に立ちたい、喜んでもらいたいと、自ずと努力せずにはいられなくなるからです。「私が身
につけたから皆さまも」と言いたいところですが、残念ながら私自身が反省の毎日です。だ
からこそ限られた時間とエネルギーを、若い頃は見向きもしなかった方向に、しっかりと注
いでいこうと思います。なぜなら、それが「美容業の成就」へのかけがえのない道だと信じ
ているからです。
vol.174 心がまえを変えよう
「将来どんな人になりたいですか」と10代の私に問いかけると、「わかりません」とい
う言葉が返ってくるでしょう。夢がなかった少年でしたから無理もありません。同じ質
問を20代の私に尋ねると「売れる美容師になりたい」と答えるでしょう。生きるため
に売り上げを上げて稼ぎたい一心の青年でした。そして30代の私なら「素直な人間に
なりたい」と応えるでしょう。それは50代の現在も変わらず、さらにこの先も変わる
ことはないでしょう。その少年はとりあえずバイクに乗ってみたかったので、勉強して
高専に進学しました。その青年は売れるためにたくさんのセミナーに通い技術を磨きま
した。そして30歳を過ぎた頃、私は「心がまえ」を変えました。素直さを修得するこ
とで幸福な人生を歩ことができる。素直さとは「逆らわない生きかた」でつぎのふたつ
の状態をさすと学んだからです。
1、人の言うことを、「はい、わかりました」と聞き入れることができる。
2、困ったことが起きても、「起こるべくして起こった、ありがとうございます」と受け
止めることができる
素直な心になっていくと、思いやりのある「人がら」が形成されることで、「あの人だっ
たら間違いない」と信頼され、まわりにもよき人たちが集まってくる。さらに、なにか
しようとするときには、そうした人たちの指示や協力を得て、大きな障害なくものごと
を成しとげることができる。「はい、わかりました」「ありがとうございます」が口グセ
になるくらいに、私はこの二つの「心がまえ」を365日朝から晩まで、20年ほど大切
にして生きてきました。おかげさまで、「素直さの階段」をほんの少しづつでも登り続け
ることで、今「幸福だ」と思うことが出来ています。「心がまえ」を変えることで、私の
人生は大きく変わりました。人は「心がまえ」を変えることでしか、人生を大きく変え
ることは出来ないのかもしれません。
vol.175 徳は弧ならず
37歳でブレスを開業した私が来年52歳になりますので、ブレスは年が明ければ15周
年です。この15年間を思い返してみると、縁あって共に働いた後に退社した、スタッ
フ一人一人の顔が浮かんできます。独立して「ステキなお店を構えた方」や、出産を機
に「子育てに専念する方」を含める5名の方が退社しました。15年間で5名という低
い離職率のおかげで、この採用難の時代にありながら、現在のブレスが成り立っている
といえるでしょう。これはひとえに「経営者である私の経営手腕によるものだ」と言っ
たなら、それは大変お目出度い勘違いでしょう。本質的には「行きたくなる職場で働き、
帰りたくなる家庭を築く」ために、壊れやすい「人間関係」を良好に保とうと、スタッ
フ一人一人が、常に努力しているからに違いありません。
たとえ健康であったとしても、おカネに困ることがないとしても、「家族とうまく行ってな
い」「職場で同僚や上司とうまくいってない」ということであれば、しあわせとは言いがた
いでしょう。人を悪く思ったり、憎しみあったりすることもない。信頼できる相手がいて、お
たがいに必要なときには相談したり、力を貸しあったりできる。また、身近な人たちとのあ
いだに、ほのぼのとしたあたたかい空気がただよう。そんな人間関係は、幸福感をさらに
ふくらませてくれます。 『素心学要論』池田繁美著(モラロジー研究所)より
3日間でカットのお客様が1名だけの御来店という珍記録もあったほど「苦しい創業期」を
共に過ごし10年間ブレスを支えてくれた「ハルさん」は、独立した現在も夏と冬にはブレ
スに足を運び、近況報告をしてくれます。持ち前の「笑顔」は沢山のお客様に支持され、
お店はとても順調な様子で嬉しい限りです。身近な人との関係を大切にする彼女の生き方は
「徳は弧ならず、必ず隣あり」(徳をもった人は孤立することはない、必ずとなりに共鳴する
人がいるものだ)ということを教えてくれているようです。
vol.176 日常の心がけ(2)
弊社のスタッフを一人つかまえて「ブレスが一番大切にしていることは何ですか」と
尋ねると、「思いやりです」という答えがもれなく返ってきます。手前味噌ながら全社
員が即答できる社風を誇りに思います。スタッフ一人一人の、サロンワークにおける
判断に迷いが生じないように、ブレスという組織がどこに向かっているのか、それを
共有してもらえることは、大変有難いことです。ブレスでは「思いやり」とは周囲の
方に対して【①不快さを与えない ②安心と喜びを与える】ことであると定義していま
す。しかしそこで、「思いやり」を利用して、売上を上げなさいとは言いません。「思
いやり」を身につけることで、人から好かれる人になって、幸せになってくださいと
お願いしています。では「思いやり」を身につけるにはどうすればよいのでしょうか。
『日常の心がけ』 ①笑顔であいさつ ②正しくやさしい言葉づかい ③清潔でさわやかな
身だしなみ ④腰骨を立てた正しい姿勢 ⑤「はい」という明るい返事 ⑥なごかな気持ち
で相手に応対 ⑦人の話はていねいに聞く ⑧身のまわりの整理整頓 ⑨約束、規則は必
ず守る ⑩ものは粗末にせず、大切にあつかう ⑪水や電気の節約 ⑫食事の前に「いた
だきます」の合掌 ⑬不要なもの音は立てない ⑭脱いだハキモノはきちんとそろえる
⑮グチや悪口はひかえる ⑯飲食は美しく、腹七分に ⑰ものごとの好ききらいは慎む
⑱ものごとの処理は機敏に ⑲ずるく、いやしい行為は慎む ⑳早起きの励行 ㉑一日の
終わりは静かに反省(20項目が実行できたかどうか)
プロ野球選手を目指す少年が、毎日朝から晩まで「プロ野球選手になりたい」と思い
続けるだけでは実現することは難しいでしょう。そのために何をするのか、具体的な
行動目標を立てて、「し続ける」ことに勝る近道はないはずです。だからこそ、これ
からも『日常の心がけ』二十一項目を日々実践し、一日の終わりには各項目が実行で
きたかどうかを、ひとつづつチェックしてまいります。なぜなら、そうすることで素
直な心に近づくことができると、信じているからです。
vol.177 六然訓の心がまえ
私は三十三歳のときにつぎのことばと出逢い、それ以来自分の座右の銘としています。
「自ら処すること超然、人に処すること藹然、有事斬然、無事澄然、得意澹然、失意泰
然」それぞれの意味するところは、「自分を客観的に見る。人にはなごやかに接する。
なにもないときには澄ましているが、いざことが起きれば果敢に行動する。また、状
況のよいときも悪い時も、平然とかまえておく」ということです。私は二十年近くこ
れらのことばを大切にして生きてきました。あるときは勇気を与えられ、あるときは
励まされ、あるときは襟を正される。現在私自身が、「人生は味わい深いものだ」と感
じることが出来るのは、この心がまえのおかげだと思っています。これは決して私が
そのような人物に到達したということではありません。しかし、身近な家族や、職場
の皆さんには、「松本喜久」という人間は、そういうことを大切にし、少しでも近づく
ために毎日努力しているんだろうな、ということは伝わっている。そのような自負だ
けはあるのです。
仏道を学ぶということは自己を学ぶことである。自己を学ぶということは自己を忘れ
ることである。自己を忘れるということは、すべてのものごとが自然に明らかになる
ことである。『現代訳 正法眼蔵』(誠心書房)
『正法眼蔵』は道元禅師(一二〇〇〜一二五三年)が説いた書であり、むずかしい内
容の文章ですが、意味するところは「自分を忘れることで、すべてがわかる」という
ことかもしれません。さて今回ご紹介した「六つの心がまえ」の中で、私自身があえ
て優先順位をつけて、一つを選ぶとするなら迷わず「自ら処すること超然」を選ぶで
しょう。なぜなら、自分を客観的に見るということが「自己を忘れること」に違いな
いと思うからです。自分のことはひとまず忘れて置いておき、ものごとの本質を正し
く見ることが出来るなら、諸事の判断にあやまることなく、残りの五つは自ずとつい
てくるはずです。人としてどう生きるのか「六然訓」は、これからもその大切な道標
として私を導いてくれると信じています。
vol.178深山の桜(2)
「行橋の皆さま、よろしくお願いします」という思いで、2009年3月1日〜2日の二日
間、美容室ブレスのプレオープン「チャリティキッズカット」を行いました。お子様の
カットを500円でさせて頂き、売上を全額寄付するという企画でしたが、チラシの効果
もあり大盛況の二日間でした。そうして3月3日に3人で、ブレスは華々しくグランド
オープンしました。しかし残念ながらその賑わいは、長く続くものではありませんでし
た。そこで当時の私は「待ってるだけでは潰れてしまう」と思い立ち、行橋駅周辺の小
ぢんまりした飲み屋さんに狙いを定めてカウンターに座り、常連客をブレスに引っ張っ
てくる「夜の営業活動」を、最終電車の23時11分まで毎日続けました。地道な作戦
ですが、おかげさまでそのときのご縁から十年以上に渡り、ブレスに通ってくださる方
も現在多くいらっしゃるのです。深山(みやま)の桜という言葉があります。文字通り、
山奥に咲く桜の木のことです。
たとえ深山の桜でも、いい花を咲かせていたら、人が足を運んでくる。すると、そこに
道ができる。そのとき、深山の桜というのは、たいへんな値打ちがでてくる。
ブレスは行橋市近郊にお住まいのお客様が大半を占める、地域密着型の美容室です。し
かし、「前髪を切る」だけのために門司からワザワザ高速を飛ばして御来店くださる方
や、小倉や博多から沢山の美容室を通り越して、ブレスを「選んで」くださる方もいら
っしゃいます。大変ありがたいことです。また先日は福岡市内から久しぶりに来店され
た、馴染みのお客様に「こんにちは」と声をかけると、素敵な笑顔ですぐさま「会いた
かった〜」という言葉が返ってきました。「いやいや、こっちが会いたかったよ」と思
いましたが、「髪を切りに来てくれた」ことに対する感謝にも増して、「会いに来てくれ
た」喜びで、心が満たされる思いがいたしました。まだまだブレスは「たいへんな値打
ち」には至りませんが、皆さまが「会いに来てくれる」ような「深山の桜」に近づける
ように、いい花を咲かせていきたいと思います。今年もよろしくお願いします。
vol.179 思いやりの心を育む
頬に当たる風がひんやりと感じられるようになった朝、育休明けで復帰したナオさんが
後輩に対して、「出勤した時は上着を外で脱いでから、お店に入るようにしようね」と
声を掛ける様子を見かけました。するとその直後に店長のユッコさんが「ブレスに入社
するまでは考えたこともなかったけど、意識するようになってからドラマの俳優さんも
そうしていることに気付いた」というお話を朝礼でしてくれました。店長はナオさんの
「ひとこと」を敏感に察知してくれたようです。長年に渡り寒くなる頃に、私はこのこ
とを朝礼でスタッフに伝え続けてきました。そんななか今年は、先を歩む先輩から後に
続く後輩へと、社風が受け継がれる光景を目の当たりにしたのです。私にとってこんな
に嬉しいことはありません。なぜなら社員の皆さんが「人から好かれる人になって、幸
せになる」ことが「株式会社ブレス」の目的だからです。
『礼義』 礼儀正しさとは、相手をうやまい、不快さを与えないことです。そのこ
とで心がかよい合い、人間関係の絆が強くなります。また、礼義正しさは、その人
を美しくします。 『素心学要論』(モラロジー研究所)
人は自分自身が心がけていることに関しては、「他人が実践している様子」に気が付く
ものです。しかしながら、「他人が意識していない姿」に対しては、大変気に掛かるも
のです。相手をうやまい、不快さを与えない「礼義」はその美しい姿から、「誠実さ」
や「謙虚さ」が伝わることで、相手に対して安心と喜びを与えることにつながるはずで
す。だからこそ私たち大人は、この「思いやり」をみずからが実践することはもちろん
ですが、その大切さを家庭においては子供に対して、職場においては後輩に対して、伝
えていくという「大きな務め」があるように思います。「思いやりの心を育む」ことこ
そ、これからの新しい時代を作り出すために必要な力に違いないと信じています。
vol.180 継続は克己なり
このたび3月3日にブレスは創業十五周年を迎えます。37歳で開業した私は52歳に
なりました。おかげさまで弊社のスタッフ一人一人は、日々「自己の至らなさ」に気付
くことで、それを正し「人から好かれる美容師」として成長しています。大変喜ばしい
ことです。経営を続けていると、思い通りに行かないことのほうが多いものですが、ス
タッフの成長に対する喜びを「糧」とすることで、現在の私は〈いいことも、そうでな
いことも〉全て「味わう」生き方ができるようになってきたように思います。そしてこ
の「糧」と同様に、もうひとつ私に勇気を与えてくれる「大きな力」があります。それ
は「克己心(こっきしん)」です。ひとつのことを〈し続ける〉ということが大の苦手
な私ですが、そのときの自分自身の「心の内」を周囲の方に対して正しく伝えるために
、稚拙な文章ながら「Elephants breath」を毎月1号づつ本号(180号)まで十五年
間書き続けてまいりました。
「勝つ」は、相手を負かすこと。「克つ」は耐えぬくこと。「克」という字は、〈カブトの
重さに耐えている人〉をあらわすそうです。じっと辛抱強く努力することで力が生まれ
ます。他人に勝つよりも、おのれに克つ〈克己〉のほうが、あとあと人生において大き
な意味を持つでしょう。 (月刊『素心』第106号より)
「〈しつけ〉とは〈し続ける〉ことだ」という言葉があります。私はこの「Elephants br
eath」を1号も欠かすことなく発行することで、自分自身を〈しつけ〉ることができた
という手応えを感じています。そのおかげで私の胸には「オレだって、やればできるぞ」
という自信と、「自分に克ったのだ」という克己心が植え付けられているのです。この克
己心こそが現在の私に勇気を与えてくれる「大きな力」に違いありません。これからも
五年、十年、十五年と積み重ねることで300号を目指して書き続けてまいりますので、
これまで同様にお付き合いいただければ幸いです。
Open hour 10:00~19:00 last reserve cut 17:00 / perm,color 16:00 Contact 0930-55-0803 please call at any time for 24 hour
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