Erephant's breath
131〜140

 
 
vol.131  長所と短所
 
今年もbreathでは、二十歳の新成人33名のお支度をさせていただきました。ヘアセ
ット、メイク、着付けの3チームが協力し、早朝4時半スタートで30分刻みに来店さ
れるゲストを、次々に仕上げていきます。今年は1年目のスタッフがメイクを、2年目
のスタッフがヘアセットを、新たに担当することになりました。1年前の幹部ミーティ
ングの際は、その責任の重さから「任せるのはまだ早いのでは」という声が多数の中で
「一年かけて、長所をしっかり伸ばしていこう」という私が押し切った形となりました。
しかしその後の先輩スタッフによる、きめ細かい指導のおかげで、当日は二人とも初登
板とは思えないほど落ち着いた様子で、スケジュールどうりにしっかりと、与えられた
大役を全うすることができました。
知能技能の面では、短所を補うより、長所を伸ばす方がよいが、精神上の問題では、
長所を伸ばそうと考えるより、短所を除くように努力する方がよい。それが長所を
伸ばすゆえんに外ならぬからです。  『修身教授録』(森 信三著 致知出版社) 
この度は専門性において「長所を伸ばす」ことは自信や勇気につながり、短所にもい
い影響を与えるものだ、という手応えを感じることができました。しかし人間性に関
しては、長所も度がすぎると、たちまち短所となってしまいがちなので注意が必要で
す。例えるなら、敏感は一歩誤ると神経質に、温厚は無神経に、勇気は粗暴に、鷹揚
は放任になりやすいように思います。だからこそ人間性においては、自分で自分の短
所である「欠けている点」を見つけ、そこを正す努力が必要なのです。しかし日常生
活の中で、至らない「自己を知る」ということは、そう簡単なことではないでしょう。
人は大きな過ちを犯し、身近な人に迷惑をかけたり、大切な人や仕事を失うようなこ
とがない限りは、なかなか自分自身の欠けている点に気がつくことはないものです。
だからこそ、これからも弊社では「転ばぬ先の杖」として、スタッフに対して「人間
学」を学ぶ場を提供してまいります。ありがとうございます。
 
 
 
 
vol.132 謙虚な心
 
10年近く前の出来事です。馴染みの方のお会計の際、当時のカット料金4000円を頂
く際に、私は一万円札を受け取りました。しかしなぜか私は、お釣りを1000円しか
渡しませんでした。お客様はアレっとした表情で「一万円札渡しましたよ」と言われ
ました。しかしなんと私は、自信満々の笑顔で「五千円札でしたよ」と言い切って、
その場を軽く収めてしまいました。そして夜レジを締めてみると、5000円多かった
のです。その瞬間に昼間の出来事が、私の頭に鮮明に映像として浮かんできました。
お預かりした一万円札をレジに入れ、お釣りの五千円札を手にとった時、電話が鳴り
ました。そこで私は左手に五千円札、右手に受話器を持ち電話応対をしました。そし
て受話器を置いたその時、手元にあった5千円札をお預かりしたものだと、思い込ん
でしまったのです。慌ててご自宅へお詫びに伺いましたが、ご本人はおやすみになら
れたということで、ご主人に返金し謝罪をしました。当然ながらその場で厳しくお叱
りを受けましたが、それから二度とそのお客様が来店されることはありませんでした。
『謙虚さがなくなる兆候』 1 時間におくれだす 2 約束を自分のほうから破りだす 
3 あいさつが雑になりだす 4 他人の批判や会社の批判をしだす 5 すぐに怒りだす
6 他人の話をうわ調子で聞きだす 7 仕事に自信が出てきて、勉強をしなくなる 
8 ものごとの対応が緩慢になる 9 理論派になりだす 10 打算的になりだす 11 自分
がえらく思えて、他人がバカに見えてくる 12 目下に人に対して、ぞんざいになる
13 言い訳が多くなる 14 「ありがとうございます」という言葉が少なくなる
私は人の話をうわ調子で聞き、謙虚さを失った傲慢な自分自身が心底情けなく、雨の
中涙を流しながら車を運転して帰ったことを、今思い出しても胸が苦しくなります。
私はこれまで大きな過ちを犯し、信用を失ったり周囲の人に迷惑をかけたりしてはじ
めて、謙虚さをなくした自分に気がつく、ということを繰り返してまいりました。だ
からこそ、これからも「謙虚さがなくなる兆候」を毎日チェックすることで、日々至
らない自己を正してまいります。ありがとうございます。
 
 
 
 
vol.133  恩を送る
 
スタイリストデビューして初めて担当したお客様の顔を、今思い出すことはできませ
んが、そのときの緊張感は25年たった今でも、はっきりと覚えています。お客様を
担当し始めた当時は、震える手つきを悟られないように、明るく振舞うことでなんと
か仕事をやり遂げ、約束のヘアスタイルを作れなかった自分自身を、毎晩責める日々
を送っていました。私が身を置く美容業に限らず、外科医の方の初執刀、パイロット
の方の初フライトなども含め、その際に人知れず「一人目」になってくださった方の
おかげで、現在の自分があるということを忘れてはならないでしょう。また同時に、
後輩が抱く夢を心から応援し、チャンスを与え見守ってくれる先輩の計らいがあって
こそ、私たちは成長することができるのです。とてもありがたいことです。だからこ
そ職場における、上司と部下の人間関係については「かけた情けは水に流せ、受けた
恩は石に刻め」という言葉のように、清々しくありたいものです。
「懸情流水 受恩刻石」  他者にかけた情け(与えた恩)は水に流して忘れるべき。
           他者から受けた恩は心の石に刻みこんで忘れてはならない。
ブレスではお客様一人に対してスタイリストが最初から最後まで専属で担当する「マ
ンツーマン型」ではなく、スタイリストの経験に応じて、同時に複数のお客様を担当
する「マルチタスク型」で営業しています。そこでブレスのスタイリストには、現場
でアシスタントが失敗しないように、伝えるべきこと(人間性や専門性について)を
あらかじめ丁寧に伝えておくこと、スタッフとの人間関係を良好に保つこと、が求め
られます。どちらも容易なことではありませんが、仕事をしてもらって当たり前、与
えてもらって当たり前となりがちな気持ちを戒めて、お互いが「ありがとうございま
す」そして「いえいえ、どういたしまして」という感謝を忘れないことが肝要でしょ
う。そうして先輩から受けた恩を「恩返し」する気持ちも大切ですが、それ以上に後
輩は新たな先輩として、次の後輩に対して恩を送る「恩送り」の社風を築くこと。そ
れがブレスの経営者として私の役割に違いないでしょう。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
 
vol.134 柔弱謙下
 
 
先日、バックヤードで洗い物をしている実習生の姿にハッとしました。なぜなら水
道の使用量が「えんぴつ一本分」だったからです。理由を尋ねてみると、バイト先
の居酒屋で新しいスタッフが入った途端に水道料金が跳ね上がり、それ以来使用量
に気をつけるようになったとのことでした。「水や電気の節約」に関しては、思いや
りの実践項目として、常日頃からスタッフに対して取り組みのお願いをしています。
特に蛇口をひねる際には、水量を「えんぴつ一本分」にしようと呼びかけ、自ら実
践してまいりました。人は率先垂範すると、その取り組みに対する周りの人の行動
を、敏感にキャッチするものです。「俺がやってるのに、なんでやらないんだ」と
イライラする気持ちは、分からなくもないのですが、そこは責める気持ちを一旦大
きく包み込み「次は、もっとわかりやすく伝えよう」と謙虚に工夫を重ねたいもの
です。またさらには、協力者の行動に対してこそ、細やかな「ねぎらいの言葉」を
忘れてはならないでしょう。
「柔弱」(じゅうじゃく) 人の体は生まれてくるとき弱々しく柔らかいが、死ぬと固
く強ばってしまう。草木やその他の生命も生まれてくるときは柔らかで脆くみえる
が、死ぬと固く干からびてぼろぼろになってしまう。つまり固く強ばっている方が
死に近く、柔らかく弱々しい方が生に近いのだ。だから軍隊がいくら強くとも力攻
めでは勝てないし、樹木に柔軟性がなければ簡単に折れてしまう。このように強く
大きなものこそ下にあり、弱く柔らかいものこそが上にあるのだ。「老子」現代語訳
人はやわらかく生まれて、かたくなって死ぬ。植物も同じ。一見強そうなものはも
ろくて、やわらかくて弱そうなものが生き残るのが道理とのことです。だからこそ
誰に対しても、いかなる状況おいても、人や世の中のせいにすることは控えて、逆
らわず変化してまいります。風に吹かれてしなやかに揺れる柳のように。ありがと
うございます。

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ブレス

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行橋市西宮市2-20-21
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vol.0〜10
vol.0 ゾウの時間 ネズミの時間
vol.1 トリとエダ
vol.2 丁寧に伝えよう
vol.3 0.2秒の返事
vol.4 穏やかな気配
vol.5 使命感を持とう
vol.6 そのひとこと
vol.7 謙虚に深めよう
vol.8社風をつくろう
vol.9 意中人有り
vol.10 徹底して深めよう
 
vol.11〜20
vol.11 おだやかな月曜日
vol.12 愛語を施そう
vol.13 のびやかでいよう
vol.14 忙中閑あり
vol.15 怒らず導こう
vol.16 知るを楽しもう
vol.17 いいお店をつくろう(1)
vol.18 いいお店をつくろう(2)
vol.19 いいお店をつくろう(3)
vol.20 一隅を照らそう
 
vol.21〜30
vol.21 もっと感謝しよう
vol.22 日常の心がけ
vol.23 日常の心がけ(2)
vol.24 三方よし
vol.25 息長く続けよう
vol.26 愉しい職場
vol.27 立派な社会人
vol.28 いい社風
vol.29 ゆっくり成長しよう
vol.30 原因内にあり
 
vol.31〜40
vol.31 手段と目的
vol.32 移しかえ
vol.33 風韻風格
vol.34 使命感をつかもう
vol.35 時は命なり
vol.36 礼を大切に
vol.37 日々是好日
vol.38 腰骨を立てよう
vol.39 心のあらわれ
vol.40 徳は孤ならず
 
vol.41〜50
vol.41 美しい礼
vol.42 ペンギンのくちばし
vol.43 殻を脱ごう
vol.44 心で聴こう
vol.45 父の教え
vol.46 素直なこころ
vol.47 明るい返事
vol.48 学思行伝
vol.49 理想の美容師像
vol.50 言葉を選ぼう
 
vol.51〜60
vol.51 喜びを与えよう
vol.52 徳は思いやり
vol.53 思いやりの矢印
vol.54 感性を磨こう
vol.55 思い方を伝えよう
vol.56 難有り有難し
vol.57 息子に学ぼう
vol.58 責任感
vol.59 機を見るに敏
vol.60 花には水を
 
vol.61〜70
vol.61 いい会社をつくろう
vol.62 輝く個性
vol.63 土台は人がら
vol.64 自己を忘れる
vol.65 会社の喜び
vol.66 苦中楽あり
vol.67 やわらかく、しなやかに
vol.68 師表徳化
vol.69 積み重ねよう
vol.70 肯定即感謝
 
vol.71〜80
vol.71 生きがいと道楽
vol.72 あこがれの人
vol.73 一切感謝
vol.74 自己を正そう
vol.75 面授口訣
vol.76 地獄と極楽
vol.77 一切肯定
vol.78 唯心所言
vol.79 ゆっくり成長しよう
vol.80 徳に隣あり
 
vol.81〜90
vol.81 遠きをはかる
vol.82 ある日の喜び
vol.83 心の置きどころ
vol.84 ことばを選ぼう
vol.85 そなえよつねに
vol.86 大きく正そう
vol.87 五指長短あり
vol.88 共に歩もう
vol.89 後ろ姿
vol.90 見てもらおう
 
vol.91〜100
vol.91 深山の桜
vol.92 師の教え
vol.93 見守ろう
vol.94 謙虚な心
vol.95 不易流行
vol.96 とっておき
vol.97 支えよう
vol.98 素直に見つめよう
vol.99 積み重ねよう
vol.100 五事を正す
 
vol.101〜110
vol.101 まんまる
vol.102 意識しよう
vol.103 快適な職場
vol.104 自己を忘れる
vol.105 健康を守ろう
vol.106 深めると広がる
vol.107 大切にしよう
vol.108 築き上げよう
vol.109 好かれる美容師
vol.110 十一人の一歩
 
vol.111〜120
vol.111 宝物を授けよう
vol.112 心の置きどころ
vol.113 言葉を選ぼう
vol.114 人間学を学ぼう
vol.115 人間学を学ぼう(2)
vol.116 人間学を学ぼう(3)
vol.117 人間学を学ぼう(4)
vol.118 人間学を学ぼう(5)
vol.119 師表徳化
vol.120 継続は克己なり
 
vol.121〜130
vol.121 土台を築こう
vol.122 好かれる美容師(2)
vol.123 美容業における不易と流行(2)
vol.124 自己を正そう(2)
vol.125 型を大切にしよう
vol.126 指導の心得
vol.127 築き上げよう(2)
vol.128 良好な人間関係
vol.129 ブレスらしさ
vol.130 和顔愛語の人
 
vol.131〜140
vol.131 長所と短所
vol.132 謙虚な心
vol.133 恩を送る
vol.134 柔弱謙下