Erephant's breath
 111〜120

vol.111 宝物を授けよう
 
この度、10年間共にお店を築いてくれたオープニングスタッフの植田遥香さんが、セラ
ピストとして開業することになりました。現在はサロンワークと並行して、スウェディッ
シュマッサージの技術を磨きつつ、breathの隣のテナントに素敵な店鋪を構える準備中
です。彼女は慢性疲労が長年続き、いろんな整体やマッサージに行っても、なかなか改善
には至らず、鎮痛剤を常備するほどの頭痛に悩まされていました。持ち前の笑顔からは想
像しづらいのですが、実は健康には程遠い身体でなんとか美容師を続けてきました。そん
な中この技術に出会い、自分自身の身体がゆるゆるになったのを体感したことが、セラピ
ストを志すきっかけでした。弊社では月末の給料日には社員全員から、感謝のメッセージ
が私に届くのですが、先日その彼女からのメッセージで次のような言葉をいただきました。
”breathで無ければ私は美容師をもっと早くに諦めていたかもしれません。ここまで成長
でき、思いやりの大切さを知ることが出来たのは、マネージャーをはじめ、美保さんそし
てスタッフのおかげです。私の人生にとって大きな財産になりました。”との事でした。
このメッセージは現在、私にとってもかけがえのない宝物です。
 
人格は、「徳性」というものが土台にあって、その上に「専門性」というものを身につけ
てゆく。人間を樹木にたとえるならば、「専門知識や教養」は枝や葉です。それに対して、
「徳性」は根っこです。どんなに枝が伸び、葉が青々としげったとしても肝心の根っこが
腐っていたら、その木はすぐに倒れてしまうでしょう。土の中の根がしっかり張っていな
いと、もろいのです。 
              素直な心に花が咲く(モラロジー研究所)より
 
 
10年間、”周囲の人に不快さを与えないこと。さらには、安心と喜びを与えること”を
実践することで、しっかりと根を張ってきた彼女の土台の上には、これから新たな芽が
息吹き、やがて枝が力強く伸びるでしょう。美容師とセラピストの二刀流で、益々魅力的
な人物に成長する彼女の活躍が、とても楽しみです。そして私はこれからも後に続く人達
に宝物を授けることができるように、至らない自己を正して生きていこうと思います。あ
りがとうございます。
 
 
 
 
 
 
vol.112  心の置きどころ
 
お客様と会話していると”怒ったりすることあるんですか”とよく尋ねられますので、お客
様から見て私は”怒りそうにない人”だと認識されているようです。予想どうり私は若い頃
から滅多な事で怒ることはありませんでしたが、20代の頃に上司からは”実は気が短いタイ
プやね”とよく指摘されていました。振り返ってみると30代の頃、私は些細なことで家内と
言い争いをし、思い通りに行かないことがあるたびに、小さな二人の子供を後部座席に乗せ
ているにも関わらず、無言で荒っぽい運転をすることで、イライラした気持ちをアピールす
るような人間でしたので、恥ずかしながら当時の私は怒ることさえ出来ない”器の小さい人
間”だったように思います。おかげさまで現在はそのような行動からはキッパリと卒業しま
したが、それが自身の未熟さによるものだ、と気づきはじめたのは40歳手前の頃でした。
そんなある日の出来事です。家内と口論した末に、家を飛び出すようにしてテニスに向かっ
た暑い夏、私はレッスンでコーチから、左右に振り回され無心でひたすらボールを追いかけ
ていました。限界まで体を動かしコートに倒れ込んだ時、私の頭の中は真っ白になりました。
そしてしばらく何も思わない状態が続いた後”今ならどんなことでも許せる”という思い
が 心の中にハッキリと現れました。  
 
 
 何かに熱中していて「われを忘れる」とよく言いますが、ひとつのことに集中している
 と、だんだんと「無心」になることができます。思考が停止し、なにも考えない、なに
 も思わない状態が生まれるからです。           (素心学要論p125より)
 
 
あの日の心の状態を日常で保ちたいという思いから、それ以来私は禅的冥想に取り組んでい
ます。禅的冥想とは、ただひたすら心のなかで数を読み冥想することで、ひとつのことに集
中し、無心になる訓練です。おかげさまで以前に比べると、怒るということは勿論ですが、
イライラすること自体が、ずいぶん減ってきたように思います。これからも調身(身をとと
のえる)調息(息をととのえる)調心(心をととのえる)で心の置きどころをつかむこと
で、 どんな時でも周囲の人に不快さを与えず、安心と喜びを与えられるように成長いたしま
す。 ありがとうございます。  
 
 
 
 
 
 
vol.113 言葉を選ぼう
 
”人は、好きな人からしか文化を受け取らない”という言葉どうりに、修行時代に授かった
社内でトップの売上を叩き出す、憧れの上司からのひとことは、25年経った今でも私の心に
しっかりと根付いています。”まっちゃん、声の大きいお客さんには大きい声で、声の小さい
お客さんには小さい声で、相手に合わせて話したらいいよ”という接客のアドバイスでした。
当時私は大型店で働いていましたので、たくさんの先輩から学ぶことができましたが、それ
ぞれの接客スタイルは十人十色でさまざまです。最初から最後まで元気よく大きな声でお話
する方もいれば、淡々と仕事を手際良く進めつつ、必要なことだけを小さな声で尋ねる方も
います。自分は一体どうしたらいいんだろうと考えていた時期でしたので、その言葉は耳に
した瞬間に、心にスーッと入ってきて私にとって”かけがえのない道しるべ”となりました。
しかし振り返ってみると、それ以来の人生において、臨機応変に声の調子を変えることは出
来ても、恥ずかしながらその内容を慎重に選ぶには至らず”余計なひとこと”で目の前の方
に対して、数えきれないほどの不快さを与えてきたように思います。  
 
 
正しくやさしい言葉づかい どんなに正しいことでも、それを伝えるときには相手をキ
 ズつけないような言いかたを工夫しなければなりません。たとえスジのとおったことで
 あったとしても、それが相手に受け入れられなければ意味がありません。また、それを
 言うことで、相手をキズつけるだけの結果になってしまったのでは、決して「正しい」
 とは言えないでしょう。  (素心学要論第五章 素心の実践 P219)
 
 
私は正しくやさしい言葉づかいを心がけるようになって、10年ほどになります。正しい内
容と、やさしい口調に関して、まだまだ完全ではありませんが、おかげさまでお客様からは
”スタッフさんに分かりやすい指示をされますね”また”ものの言いかたがやさしいですね。
家でもそんな感じなんですか”というお言葉を、たくさん頂くようになりました。これから
も、どんな時でも周囲の人に不快さを与えず、安心と喜びを与えられるように、至らない自
己を正して成長いたします。ありがとうございます。 
 
 
 
 
 
 
vol.114 人間学を学ぼう
 
 
二十歳の頃から17年間、修行時代にお世話になった美容室では、社員が経験を重ねリーダ
ー的立場になると”人間学を学ぶ”ということになっていました。そこで私は仕事に自信を
持ち始めていた、32歳の時に会社の命により「耕心塾」に参加することになりました。「耕
心塾」とは2年目以降に学ぶ場「素心学塾」と共に、八幡西区黒崎にある池田ビジネススク
ールの学院長、また経営コンサルタントであり税理士の池田繁美先生が主宰される、人格向
上を目指す学びの場です。私はそれ以来15年ほど、この素直な心を学ぶ学問「素心学」を
学んでいます。また弊社におきましても幹部社員を中心として現在5名が、こちらで学んで
います。耕心塾は毎月一回、素心学塾は二ヶ月に一回、直方の素心学研修所において18時
半から21時まで開講されます。前半は塾生全員による2分間の体験発表です。学んだこと
を日常の中でどのように実践したのか、またどのような気づきがあったのか、活動方針にそ
って、一人づつ登壇してお話をします。そして後半は主に塾長の講義を聴講します。
自己を知り自己を正す 学びの本質は、もの知りになることでも、えらくなることでもあ
りません。自己の欠けているところに気づいて、そこを正して行くところにあります。私
たちは、ともすれば「他人の欠点を見つけ、他人を正す」ことに力を入れてしまいがちで
すが、変わらなければならないのは、「自分自身」なのです。「素心学」では、自分の心に
ついたクセを正し、素直な心になることを学びます。          池田繁美塾長
「素直さ」とは「逆らわない生き方」です。素直な心を身につけることで、思いやりのある
人間性が育まれると、その人には魅力ある人格が形成されます。魅力ある人には人望が集
まりますので、何かしようとするときには、まわりの人びとの支持と協力を得て、ものごと
をなし遂げることができるようになります。breath開業の際は塾長からひとこと”義理を大
切にしたほうがいいですね”と助言をいただきました。私が”少々不都合”なそのことを、
素直に聞き入れて、縁もゆかりもない行橋で商売を始めたことは、自慢のスタッフに囲まれ
て、幸せを実感できる味わい深い人生への、大きな一歩であったように思います。このこと
はvol.115 人間学を学ぼう(2)で詳しくお伝えしたいと思います。ありがとうございます。 
 
 
 
 
 
 
 
 
vol.115 人間学を学ぼう⑵
 
 
私は35歳の時に開業しようと思い立ち、長年お世話になった会社の社長だけに、そのこと
を打ち明けました。当時私は責任ある役割を与えられていましたが、それから1年半は職務
を全うすることをお約束して、社長は私の希望を聞き入れてくださいました。その瞬間には
”1年半は結構長いな”と感じたのですが、人生の師から「義理を大切にしたほうがいいです
ね」という助言をいただいていましたので、迷うことなく「はい、わかりました」とすべて
を受け入れて、退職間近まではそのことを出来る限り周囲の方に、口外しないように努めま
した。そして37歳の時に縁もゆかりもない行橋市において、顧客ゼロの状態でbreathを開
業いたしました。「背に腹はかえられぬ」という生き方を選ばず、苦しくても「正々堂々と胸
を張って生きる」生き方を選んだことは、厳しい環境に身を置いてこそ、たくましく成長す
ることができる、という「自然の理法」にかなっていたのかもしれない、と感じています。
素心学とは、素直な心を学ぶということです。素直な心とは、心にクセがなくまっすぐな状
態をいいます。人の心は、「自我」と「過去の行為」によってクセがついています。素心学で
は、この心のクセをまっすぐにしていくことを主題としています。心のクセは、「禅的瞑想」
感謝の言葉」「一日の反省」を毎日くり返すことによって正されてきます。心のクセは、表
情、語調、動作にあらわれていますが、それが正されてきますと、おのおのがやわらかくな
り、全体の雰囲気がやわらいでいきます。「和顔愛語」の人になります。素直な心はものごと
の本質をありのままに受け入れ、自然の理法にかなった行為をします。素直さを習得した人
は、諸事の判断に、あやまりがなく、またムリがなく、まわりの人や自然から支持され、も
のごとを成就させていきます。                    「素心学の定義」
私が15年前に社命により学び始めた「素心学」とは素直な心を学ぶ学問です。そして学ぶこ
とは行動のきっかけづくりであり、行動こそが学んだことの証とされています。従いまして
breathという美容室は私にとって、その学問を実践するステージに他ありません。未熟な私
はまだまだ素直な心に至りませんが、生涯をかけて少しでも近づけるように、自己を正して
まいります。そして私が目指す「素直な心」とはどのような状態をいうのかを、次号で具体
的にお伝えしようと思います。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
 
vol.116 人間学を学ぼう(3)
 
 
私は「素心学塾」で15年ほど素直な心を学んでいます。素直といえばよく「自分の気持ちに素
直に生きるんだ」と言って「自分自身の感情にしたがって行動する」ことを推奨する場合があり
ますが、私は自分勝手な思いのままに行動したり、振舞ったりすることを目指しているわけでは
ありません。素心学では素直さとは「逆らわない生き方」として、具体的にはつぎのふたつの状
態のことと定義されているからです。
1、人の言うことを、「はい、わかりました」と聞き入れることができる。(一切肯定)
2、困ったことが起きても、「起こるべくして起こった、ありがとうございます」と受け止め
  ることができる。(一切感謝)
経営の神様といわれた松下幸之助さんは、「素直さとは、雨が降れば傘をさすようなもの」と
簡明に説かれましたが、以前の私はそのように自然の流れに無理なく従うような、素直さとは
無縁な人間でした。美容師を目指す20歳の私が先輩からシャンプーの手ほどきを受けていた際
に、未熟な私は至らない技術を指摘されるたびに「ハイ」と言う返事の前に、「イヤ」という言
葉が反射的に飛び出して、その後に「出来ない理由」を並べるような、ひねくれ者でした。幸
いbreathに私のような後輩はいませんが、当時の先輩には大変不快な思いをさせてしまったと
反省しています。しかし現在では人から何か言われた時には、例えば有能な社員が「辞めたい」
と申し出てきたとしても、まずは「はい、わかりました」と聞き入れることができるようになり
ました。そして、冷静になって自分自身をふり返り、原因を自己に見つけることで、「起こるべ
くして起こった、ありがとうございます」と受け止めるようにしています。病気、事故、仕事や
経営上の問題、そして人間関係の悩みも、原因は自分自身にあることが多いものです。そのこと
を教えてくれるさまざまな出来事は、すべてが「ありがたい」ことにちがいありません。私は開
業以来、この「素直な心」を意識してさまざまな、経営判断をしてまいりました。しかし意識さ
えすれば、人は素直になれるのかといえば、そう簡単なものではないようです。なぜなら、人の
心には意識が及ばない深いところに、誰しも「心のクセ」が染みついているからです。この「心
のクセ」については次号でお伝えしようと思います。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
 
 
vol.117 人間学を学ぼう(4)
 
 
私は32歳のときに「素直さ」を学ぶ学問である「素心学」に出会いました。経営者の徳をも
って会社を治めるという「徳治経営」の理念をそのときに学び、15年後の現在まで職場にお
いて実践中です。至らない自己に気づかされるばかりの毎日ですが、長年経った「今」過去の
私と現在の私の言動を比べてみると、少しづつですが確かな変化を感じれるようになりました。
以前の会社で店舗責任者として駆け出しの15年前の私は、スタッフから”結婚式に出席した
いので日曜日に休ませてください”と申し出があるたびに、長々と説教じみた言葉を並べて、
それを却下していました。その頃の私はそれが自らの職務だと信じていたのです。現在は少々
不都合な状況でも、快く希望を受け入れるようにしていますが、当時のスタッフに対しては、
大変申し訳ないことをしてしまったと後悔しています。今思えば、これは無意識のうちに「心
のクセ」である「自我」と「業」の意識が、過剰に働いた結果であるように思います。
    自我の意識・・・・・自分とその他を区別する働き
    業の意識・・・・・・過去の行為(経験・知識)をすべて貯蔵する意識
自我と業は生きていく上で必要な意識ですが、放っておくと必要以上に大きくふくらんで「心
のクセ」として人の思いに影響を与えます。この心のクセがマイナスに働いた私の事例として
は”サービス業の人間が、日曜日に休みたいなどと言いだすのはプロ意識が足りない。今まで
俺たちがやってきたことが正しいんだ”という思い込みが「業の意識」です。また”忙しい日
曜日に休みを与えたら売上が減るに違いない。責任者としての俺の立場はどうなるんだ”とい
う利己主義(エゴイズム)が「自我の意識」です。自我と業の意識は、それ自体決して悪いも
のではなく、生きていくうえで必要なものです。しかしながら放っておくとエスカレートしや
すく、心のクセとしてマイナスに働く性質があるのです。この意識をコントロールするのは、
簡単なことではありませんが、私達塾生は「心の置き所」をつかむことで「心のクセ」をうす
れさせ、心を素直にすることを目指しています。次号ではこの”心の置き所”についてお伝え
いたします。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
 
 
vol.118  人間学を学ぼう(5)
 
 
「素直が一番ですね」私が身を置く美容業界に限らず、指導的立場の方に「伸びる人材の条件」
を尋ねてみると、多くの方がそのように仰います。そしてその度に私は大きく頷いてしまいま
す。なぜなら私自身がそうであったように技術を習得する際に「素直さ」に欠ける人は「随分
遠回りをしてしまう」という現実を、目の当たりにしてきたからです。そのような方の共通点
としては、(4)でお伝えしました「心のクセ」(自我の意識、業の意識)が過剰に働いているよ
うに思います。その結果として先輩から手ほどきを受ける際に、指摘を受けたら迷わず「はい
わかりました」「ありがとうございます」と全てを受け入れ感謝する、ということがなかなか出
来ないのです。従って先輩は「もうちょっと素直だったらなあ」と残念に思います。しかしな
がら「素直さ」というものは年齢を重ねれば重ねるほど、よほどの努力をしない限りは誰もが
失ってしまいやすいものです。そこで私が学ぶ「素心学」では、一つのことに集中し無心にな
ることで、心のクセを薄れさせ、素直な心に近づくための「五つのトレーニング」に取り組ん
でいます。
 禅的瞑想(ただひたすら、心のなかで数を読み瞑想する) 歩行(ただひたすら、歩く)
 写字(ただひたすら、文字を書き写す) 柔体(ただひたすら、からだをやわらかくする)
 清掃(ただひたすら、掃除をする)  
この無心になる訓練を続けると、熱中して「われを忘れる」とよくいいますが、思考が停止し
なにも考えない、なにも思わない状態が生まれます。するとギザギザに欠けた心のふちが、な
めらかにおだやかになっていきます。いびつにゆがんだ形が、丸くやさしくなっていきます。
かたく縮こまった心が、やわらかく豊かになっていきます。この丸く、やわらかく、大きな心
の状態を目指します。私がこの満たされた心の状態を、何度も何度も心に植え付けて「心の置
き所」をつかむべく努力し続けることは、家庭や会社を治める者として、それにふさわしい人
格を形成するために大切なことに違いない。年頭にあたりそのように意を強くいたしました。
今年も宜しくお願いします。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
vol.119  師表徳化
 
地元の工業高校に通う息子は片道約6kmの道のりを毎日自転車通学しています。そんなあ
る日、途中でタイヤがパンクしてしまいました。なんとか学校にたどり着いて担任の先生に
相談すると、修理用のチューブを購入するために、先生がホームセンターまで車で送ってく
れたそうです。そして学校に戻ると次は機械科の先生の登場です。手際よく慣れた手つきの
作業で、あっという間に修理完了という運びとなりました。学校教育の目的は「人格の完成
を目ざし、社会の形成者を育てる」と教育基本法に示されています。さらにそのための目標
として「知、徳、体の教育を行う」とあります。社会に役立つ人間づくりのために、学力(
知識と教養)、体力(すこやかなからだ)、徳力(思いやりの心)をバランスよく育むという
ことでしょう。ところが現在の学校教育では、知育と体育が中心で徳育はすみっこに追いや
られているようで残念に思います。そんななか息子から先生方の「思いやり」の話を聞いた
私は「いい先生に出会えてよかったな」と心がとてもあたたかくなりました。
師表徳化(しひょうとつか) 
    師表..........自らが手本となる。 徳化..........その徳によって、まわりを感化する。
breathでは毎年、美容学校の実務実習生を受け入れています。その際私たちは美容業界にお
いて先を歩む者として、実習を通じて学生さんに「専門性」に触れる機会を設けると同時に
「人間性」の大切さを伝えるようにしています。なぜならこの世界で生きぬいていくためには
「上手い」だけでは不十分であり「好かれる」ということが必要だと考えるからです。「子ど
もが全然言うことを聞かない」という話をよく耳にしますが、「子どもは大人が言ったように
はしないが大人がするようにする」とも言われています。だからこそ、限られた期間で大切
なことを伝えることは容易ではありませんが、息子の先生方のように「専門性」を通じて身
近な人に対して「安心と喜びを与える」後ろ姿を示していこうと思います。ありがとうござ
います。
 
 
 
 
 
 
vol.120 継続は克己なり
 
もう間もなく、breathは平成最後の年の三月三日で創業十周年を迎えます。10年間を振
り返ってみますと、私はスタッフに対して「専門性と人間性を兼ね備えた、立派な美容師
になってもらいたい」という一心で経営を続けてきたように思います。恥ずかしながら、
これまでの人生の中で私は、決めたことを〈しつづける〉ということが出来たためしがあ
りませんでした。しかし、この10年間だけは思いを成就するために取り組んだ、二つの
ことを〈しつづける〉ことが出来たのです。一つは専門性に関して、自らが信じ磨いてき
たカットの基礎である、ベーシックカットを毎月社内で講習すること。もう一つは人間性
に関して、思うところを毎月誌面に綴り身近な方に伝えることです。何れもまだまだ内容
は力不足ですが10年間コツコツと続けたことは、私にとって「オレだって、やればでき
るぞ」という自信と、さらには「自分に克ったのだ」という克己心が植え付けられたよう
に思います。
「勝つ」は、相手を負かすこと。「克つ」は、耐え抜くこと。「克」という字は、〈カブトの
重さに耐えている人〉をあらわすそうです。じっと辛抱強く努力することで力が生まれま
す。他人に勝つよりも、おのれに克つ〈克己〉のほうが、あとあと人生において大きな意
味を持つでしょう。      (「素直な心に花が咲く」 苦境を乗り切る実践哲学 より)
手前味噌だと叱られそうですが、「優れた人格」を提供することで、「人から好かれる美容
師」が、おかげさまでbreathにも揃ってきたな、という手応えを現在感じています。大
変有難いことです。だからこそ、そんな「どこに行ってもやっていける」スタッフ達が「
それでもbreathで働きたいんだ」と思ってもらえるような社風を築き上げるために、私
はこれからもピカピカに光ったハサミを持ってフロアに立ち、これまで10年間続けてき
たことを、これから先も20年間は〈しつづける〉つもりです。これからも、よろしくお
願い致します。ありがとうございます。

 

 
 
hair salon breath
ブレス

〒824-0031
行橋市西宮市2-20-21
breath BLD 1/2F
 
 
□ Open hour
      10:00~19:00
last reserve  cut 18:00 / perm,color 17:00 
 
 
□ Reserve / Contact
0930-55-0803
please call at any time
for 24 hours
 

 
vol.0〜10
vol.0 ゾウの時間 ネズミの時間
vol.1 トリとエダ
vol.2 丁寧に伝えよう
vol.3 0.2秒の返事
vol.4 穏やかな気配
vol.5 使命感を持とう
vol.6 そのひとこと
vol.7 謙虚に深めよう
vol.8社風をつくろう
vol.9 意中人有り
vol.10 徹底して深めよう
 
vol.11〜20
vol.11 おだやかな月曜日
vol.12 愛語を施そう
vol.13 のびやかでいよう
vol.14 忙中閑あり
vol.15 怒らず導こう
vol.16 知るを楽しもう
vol.17 いいお店をつくろう(1)
vol.18 いいお店をつくろう(2)
vol.19 いいお店をつくろう(3)
vol.20 一隅を照らそう
 
vol.21〜30
vol.21 もっと感謝しよう
vol.22 日常の心がけ
vol.23 日常の心がけ(2)
vol.24 三方よし
vol.25 息長く続けよう
vol.26 愉しい職場
vol.27 立派な社会人
vol.28 いい社風
vol.29 ゆっくり成長しよう
vol.30 原因内にあり
 
vol.31〜40
vol.31 手段と目的
vol.32 移しかえ
vol.33 風韻風格
vol.34 使命感をつかもう
vol.35 時は命なり
vol.36 礼を大切に
vol.37 日々是好日
vol.38 腰骨を立てよう
vol.39 心のあらわれ
vol.40 徳は孤ならず
 
vol.41〜50
vol.41 美しい礼
vol.42 ペンギンのくちばし
vol.43 殻を脱ごう
vol.44 心で聴こう
vol.45 父の教え
vol.46 素直なこころ
vol.47 明るい返事
vol.48 学思行伝
vol.49 理想の美容師像
vol.50 言葉を選ぼう
 
vol.51〜60
vol.51 喜びを与えよう
vol.52 徳は思いやり
vol.53 思いやりの矢印
vol.54 感性を磨こう
vol.55 思い方を伝えよう
vol.56 難有り有難し
vol.57 息子に学ぼう
vol.58 責任感
vol.59 機を見るに敏
vol.60 花には水を
 
vol.61〜70
vol.61 いい会社をつくろう
vol.62 輝く個性
vol.63 土台は人がら
vol.64 自己を忘れる
vol.65 会社の喜び
vol.66 苦中楽あり
vol.67 やわらかく、しなやかに
vol.68 師表徳化
vol.69 積み重ねよう
vol.70 肯定即感謝
 
vol.71〜80
vol.71 生きがいと道楽
vol.72 あこがれの人
vol.73 一切感謝
vol.74 自己を正そう
vol.75 面授口訣
vol.76 地獄と極楽
vol.77 一切肯定
vol.78 唯心所言
vol.79 ゆっくり成長しよう
vol.80 徳に隣あり
 
vol.81〜90
vol.81 遠きをはかる
vol.82 ある日の喜び
vol.83 心の置きどころ
vol.84 ことばを選ぼう
vol.85 そなえよつねに
vol.86 大きく正そう
vol.87 五指長短あり
vol.88 共に歩もう
vol.89 後ろ姿
vol.90 見てもらおう
 
vol.91〜100
vol.91 深山の桜
vol.92 師の教え
vol.93 見守ろう
vol.94 謙虚な心
vol.95 不易流行
vol.96 とっておき
vol.97 支えよう
vol.98 素直に見つめよう
vol.99 積み重ねよう
vol.100 五事を正す
 
vol.101〜110
vol.101 まんまる
vol.102 意識しよう
vol.103 快適な職場
vol.104 自己を忘れる
vol.105 健康を守ろう
vol.106 深めると広がる
vol.107 大切にしよう
vol.108 築き上げよう
vol.109 好かれる美容師
vol.100 五事を正す
 
vol.111〜120
vol.111 宝物を授けよう
vol.112 心の置きどころ
vol.113 言葉を選ぼう
vol.114 人間学を学ぼう
vol.115 人間学を学ぼう(2)
vol.116 人間学を学ぼう(3)
vol.117 人間学を学ぼう(4)
vol.118 人間学を学ぼう(5)
vol.119 師表徳化
vol.120 継続は克己なり
 
vol.121〜130
vol.121 土台を築こう
vol.122 好かれる美容師(2)
vol.123 美容業における不易と流行(2)
vol.124 自己を正そう(2)
vol.125 型を大切にしよう
vol.126 指導の心得
vol.127 築き上げよう(2)
vol.128 良好な人間関係
vol.129 ブレスらしさ
vol.130 和顔愛語の人
 
vol.131〜140
vol.131 長所と短所
vol.132 謙虚な心
vol.133 恩を送る