Elephant's breath 

 

2009年3月3日に3名でオープンした美容室ブレス。
そのアラフィフオーナーが月イチで更新中のコラムを掲載しています。
これを読めばブレスの全てがわかる!是非ともご一読くださいませ。

vol.141   愛語を施そう
 
毎月給料日の月末に仕事が終わると、社員のみんなから感謝のメッセージが私の元
に届きます。毎日顔を合わせる間柄ですが、思いを改めて伝えてくれるこの習慣が、
ブレスの社風として受け継がれていることを嬉しく思います。その中から先日スタ
ッフが綴ってくれた、素敵なエピソードをご紹介します。『マネージャーのお客様
に「今ブレスで働いていて勉強になることが多い」というお話をすると「謙虚な気
持ちはとても大事だけど、自分自身もこの空間を作り上げている、ブレスの一員だ
と思うことも大切」という言葉を頂きました。それは今までの私の考え方にプラス
になる言葉で、とても心に響きました』とのことでした。私はスタッフに対して、
勇気を与える言葉を与えてくれたお客様の「愛語」を、大変嬉しく思いました。な
ぜなら、人はこの人なら響くだろうと感じない限りは、その会話の内容は差し障り
のないものに、留めておくものだろうと考えるからです。
 
 
言葉一つで、相手に信じられないくらいの力を与えたり、反対にその人の命を落と
させるほどの悲しみを与えたりすることがあります。笑顔や正しくやさしい言葉づ
かいから、その人のぬくもりが伝わります。そして、心のあたたかさにこそ人は近
づいてくるものです。        「素心学要論」(第五章 素心の実践)より
 
 
お客様が行きつけの美容室を選ぶ際に、技術力は勿論大きな要件に違いないでしょ
う。しかし、それだけでは生涯顧客としての長いお付き合いには、至らないように
思います。だからこそ、私はこんなに素敵なスタッフや有難いお客様の、あたたか
さやぬくもりが溢れる、「ブレス」を経営させてもらってるんだという「誇り」を
携えて、これからも周囲の方々に対して、正しくやさしい言葉づかいで、愛語を施
してまいります。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
 
 
vol.142  やさしくなければ意味がない
 
日が落ちるにつれて、心が軽い足取りで踊り出す。それは日曜日の私のルーティーン
です。そこで手を止めてフロアを見渡してみると、疲れきっているはずの皆もまた、
どことなく嬉しそうな様子です。忙しい週末営業のゴールが見えてきたことで「安心」
を感じているのでしょうか。それも勿論のことながら、何より明日が定休日だという
「喜び」が、スタッフの表情、語調、動作にあらわれているに違いありません。そんな
サイクルに、昨年少し変化がありました。第3日曜日を新たな定休日と定めたのです。
その連休前の土曜の夜ともなると、従来の日曜日にも増してワクワク、ソワソワした
空気でサロン全体が満たされるようになりました。昨年から出口が見えないウイルス
の脅威により、多くの方が思い通りにならない現実と戦っています。そんななか弊社
は20日間の休業期間を経て、変えられないことは全て受け入れたうえで、変えられる
ことに目を向け、そこにエネルギーを注ぐことにしました。お客様来店時に検温、手
指消毒、手袋着用のお願い。4つの部屋にセット面を分散したソーシャルディスタン
スの確保。お客様ごとに洗濯済みの専用クロスを使用。労働環境改善のため日曜定休
日を定める。これらを導入することで、お客様やスタッフに対して「安心」と「喜び」
を与えるために「逆らわず変化」しています。
 


米国の作家レイモンド・チャンドラー(1888〜1959年)は、小説の主人公に、こう
いわせています。「強くなければ生きられない。やさしくなければ生きている資格が
ない」。さまざまな日本語の訳がありますが、わたしは「自分の心に強くなければ、
正しく生きていくことができない。他人にやさしくなければ、人間としての価値がな
い」と勝手に解釈しています。             (月刊素心第253号より)



昨年に引き続き、今年も私は経営者として「自分の心に強くなければ、正しい経営は
できない。社員にやさしくなければ、経営者としての価値がない」という覚悟で生き
ていきます。今年もよろしくお願いします。ありがとうございます。
 
 
 
 
 
vol.143    進んでするのが人の上
 
育休明けで春から復帰予定の平間理沙さんが、年末に3日間ブレスにお手伝いに来て
くれました。丸2年のブランクがありましたので、本人としては久しぶりのサロンワ
ークに対する不安があったようです。しかし忙しい12月のピークということもあり、
各スタイリストが理沙さんに助けられる場面がたくさんありました。「ホントに困っ
た時に助けてくれる」というスタッフからの感謝の言葉どうり、理沙さんはサロン全
体を見渡す広い視野を携えています。だからこそ、今自分が何をすれば周囲の人に対
して、安心と喜びを与えることができるのか、それらを敏感に察知することで「進ん
で行動」できるのです。私はこの「進んで行動」ということを、とても大切にしてい
ます。そこで仕事中に「今こうして欲しいな」と思っても、気づくのを待つことを長
年心がけてきました。そして、気づかなかったことを責めることは戒めて、気づいた
ことへの感謝を伝えるようにしています。
 進んでするのが人の上 真似してするのが人の中 言われてするのが人の下
 言われてせぬのが人の屑(くず)                 作者不明
若い頃、行きつけの中華料理屋さんのカレンダーに、上記の言葉を見つけました。そ
の際私は、「進んでする人」だらけの美容室を頭に思い描いてみました。それは「い
いお店」に違いないと思いました。そしてそんなお店で働きたいなあと思ったもので
す。あれから20年ほど経ちました。今フロアを見渡すと、私は「進んでする人」だ
らけのブレスのスタッフに囲まれています。おかげさまで毎日楽しく仕事をさせても
らえるのです。もちろん入社して最初から進んで行動できる人はいません。しかし思
いやりを大切にするスタッフの行動を毎日、目で見て、言葉を耳で聞き、雰囲気を肌
で感じることで、例外なく進んで行動ができるようになるのです。そうして周囲の人
から好かれることで、幸せになってもらう。そんな社風をこれからもブレスは、大切
に育ててまいります。ありがとうございます。
 
 
 
vol.144 末広がりの人生 
 
六十年の歴史を持つ中華の名門「小倉飯店」は小倉北区堺町の大型中華料理店ですが
小倉生まれ小倉育ちの私にとって、かけがえのない思い出の味がここにあります。バ
スに乗って家族四人で小倉の街に繰り出し、予め電話予約した個室で、和気藹々と食
事をするのです。オーダーは、焼き餃子、やわらかい焼きそば、白ごはん、ビール、
オレンジジュースと決まっており、毎回それ以上も以下もありません。ある日オーダ
ーの際に店員の女性が「それだけでいいんですか。エビチリとか八宝菜とかもありま
すよ。いかがですか。」と尋ねましたが、小学生の私はその意味を理解することがで
きませんでした。食べたことがなかったからです。今思えば田舎育ちの両親が贅沢を
慎んで、生活をやりくりしてくれたおかげで、子供の頃から私がやりたいと申し出た
ことや、進学や結婚そして開業などの人生の節目に際して、惜しみない応援をしてく
れたのです。
 
 
 
プロ野球のドラフト一位で入団したピッチャーがいました。最初は成績が良くて年棒
も上がり、豪邸を建てて華やかな結婚式を挙げました。やがて何かの事情で調子をく
ずして二軍に落ち、収入が激減して、マスコミにも登場しなくなりました。家を手放
し、奥さんにも見放され、失意のうちにみずからいのちを絶ってしまいました。尻す
ぼみの人生の典型です。この逆のかたちが、一番幸福を感じられるのではないでしょ
うか。経営もまた然りだと私は思います。「いい会社をつくりましょう。」塚越 寛 著
 
 
 
末広がりの人生を求めるなら、若い時のスタートは何事も低い方がいいように思いま
す。身なり、車、住まいなどに関して、身の丈に合わない暮らしぶりの若者を見かけ
ると、ついつい心配してしまいます。昨年、美容学生の息子が運転免許を取得しまし
た。そこで知人のご厚意により走行距離16万キロ、12年落ちの車を格安で譲って
頂きました。息子にはこれから最初の相棒と共に、願わくば地を這うように緩やかな
右肩上がりの人生を歩んでもらいたいと思います。ありがとうございます。

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